カープが負けた。クライマックスシリーズでDeNAに。
去年はこんなコトを書いている↓
http://www.shogot1978.com/entry/20161026/1477491059
シーズン中はあんなにも強かったのに、4連敗でジエンドとは何ともさびしくなる。
「セリーグ独走だったのに日本シリーズに出れないのはおかしい」みたいな話を聞いたり、記事を目にしたりするが、まあ、そんなことはない。このルールでいきましょうねー、で始めているので仕方がない。
来年も再来年もあるんだから、また頑張ればいい。今年は「鈴木」が途中でリタイアしたし。
これで終わるには、記事が短すぎるので、余談を少々─。それも少しコアな…。
7年程前の夏の話である。僕はそのとき愛知県豊田市に住んでいた。
インドネシアへ渡航するために、トヨタ記念病院で予防接種を受けていた。「注射後30分ほどは病院内にいてくださいね」と看護婦さん。僕は暇を潰すために、テレビを見ることに。夏の公共の場のテレビは、例によって夏の甲子園の中継を映し出していた。
長椅子に腰を下ろした僕のふたつ前の長椅子に、若者とおっさんが並んで座って、テレビを見ながら何やら話をしていた。
お「今のエラーは腰が高いねん」
若「そうかもしれません」
お「甲子園出てきてるのに、ロクな練習してへんな、こいつらは」
若「…」
お「昔の王や長嶋の時代を知っとるか」
若「…」
お「あの頃の野球の方が、今よりずっとずっと良かったねん…」
若「...」
お「ところで、にぃちゃんよ〜、昼間っから病院きて、何しとるん?スポーツ何かやってんの?若いんだからスポーツぐらいしとかなあかんでー」
若「野球を少し…」
お「何や、野球やっとるんや!」
若「はい…」
お「大学生か?」
若「いえ、高校です」
お「どこの高校?」
若「中京大中京です」
お「えっ!中京大中京!?ホンマに?」
お「甲子園出とったやん、昨日試合しとったやん…」
若「はい…」
お「何年生や?補欠か?」
若「3年で、4番でキャッチャーです」
お「…… 」
※おっさん ぶったまげる。
ちょうどこの日の前日、中京大中京は早稲田実業に21-6でボロ負けをくらっていた。昨年はあの堂林の活躍で優勝していたので、連覇の期待がかかっていたが二回戦での敗退だった。
おっさんは、自分の身勝手な野球解説にワビを入れ、逃げるように去って行った。
そのあとに、ミーハーな僕が彼に話しかけないわけがない。
僕「あのー、中京大中京の4番ですか?」
若「はい、そうなんです」
僕「とりあえず、写メいい?」
若「はい」
パシャ!パシャ!
僕「で、プロ目指すの?」
若「はい!ドラフトを待っています」
僕「へー、すげーな!で、何でまた病院に?怪我でも?」
若「いえ、弟のお見舞いに…。弟は野球が大好きだったんですが、野球ができない身体になってしまい…、弟のぶんまで自分が頑張ろうと。今日は甲子園の敗戦報告です…」
僕「へー、すげーな」
僕「じゃあ、ドラフトかかるのを楽しみにしてるよー」
若「はい!」
握手─。
僕「あっ、名前は?」
若「磯村です!」
彼は、その年のドラフトで見事指名を受けた。それもよりによって、広島カープの4位指名だ。応援にも熱が入る。
彼は今年もキャッチャーで一軍で何試合か試合に出ているし、評判も悪くない。ただ、もう6年目。うかうかもしていられない年齢となってくる。いずれカープを背負って立つオトコになってほしい。弟のためにも。