” bungkus ” ➡︎ ” 包み ”
ブンクスって言葉、使う人はよく使うと思う。あのドラえもんだって使っている。その場で食べずに、持ち帰りたいときに「ブンクスで!」と。僕もそう言っていた。
ずっと ”お持ち帰り” の意味として認識していたのだが、”包み” が語源としての意味のようだ。それなら、あぁ、なるほどな、と思える。”お持ち帰り” は、takeaway だ。マクドナルドなどファストフード店は、ブンクス? なんて聞いてこない。
インドネシア人に、この件を尋ねてみると「どっちだっていいじゃん、細かいこと言うな〜」的な返答。前から思っていたのだが、インドネシア語の語彙数は、日本語に比べて絶対数が圧倒的に少ないと思っていて、言葉への概念が日本人と違っているんじゃないかと。だから、彼らの発言もある程度の納得で、受け入れられる─。
細かいことをぐじゃぐじゃ言うつもりはなくて、結果的に、持ち帰る目的を果たせれば、どんな言葉を使ったって良いと思う、ジェスチャーでさえも。
本題はこれだ。
正真正銘の ” bungkus ブンクス ” って やけに美味そうに見えないか?という個人的な嗜好のお話。
仕事場でよくナショナルスタッフが、朝食sarapan を、ブンクスしてビニールで引っさげて持ってくるのを見るのだが、どうも美味そうに見えてならない。中に何が入ってるかもわからないのに、美味しそうに見えてくるから不思議だなぁ、とつくづく思っている。
汁か油が染み出している感じなんかは、美味しさが多すぎて、包みきれずにあふれ出している様にしか見えてこない。
包み方もおそらくは、多少の物理を使って、こぼれにくく、それでいて開けた時に食べやすい、そんな工夫がされているのかもしれない。
そして最後に、セロファンテープなんて使わずに、輪ゴムひとつで包みをロックするあたりは、芸術を含んだ職人芸の域まで達しているんじゃないかとさえ思えてくる。
精巧な物理と恍惚な芸術を感じながら、ブンクスを開くと、
この感じ。このごじゃごじゃ感が、ますます美味そうに見えてきてしまう。開くと匂いまで漂うので、さらに良くなる。
これは、パダン料理。大好きなパダン料理が、ブンクスされると、さらに美味しく感じてしまう。いや、普通のも美味しいのだが、別物として。
そのくらい、僕にとって、ブンクスは特別なものになりつつある。
…、あっ、マクドナルドのハンバーガーも紙に包んであるから、ブンクスじゃん…。待てよ、マクドナルドでブンクスという言葉を使ってしまうと、”お持ち帰り” と ”ハンバーガーを包む” が、ごっちゃになって、混乱するから、takeaway を使っているのかもしれないな…。今度尋ねてみよう。
そんなことを言っていると、インドネシア人からの「なんだっていいじゃん!気にするな!」の声が聞こえてきそうになるから、テキトーな感じで、記事を終わらせることにする──。