久しぶりにテキーラを飲んだ。インドネシアで飲んでも、うまいものはうまい。
ラマダンが始まったばかりのこの時期に、こんな記事をアップするのは、何だか不謹慎な感じがするが、おそらく感じがするだけで、法的にも宗教的にも何ら問題なく、罰せられるものではない。
知り合いが持ってきたものだが、あのパトロン PATORON である。パトロンなんて名前も聞いたことがなかったが、色々調べてみると、テキーラ界ではなかなか良いポジションにいらっしゃるようだ。
パトロンのコルクを慎重に、まるで何かのタイミングをはかるかのように、 ポンっと開栓する。
すると、心地の良い音とともに爽快な香りが漂い始め、僕はメキシコの抜けるような青空に想いを馳せそうになってしまったが、そんなことをしたら法的には問題ないが、不似合いか何かの罰則をくらいそうな気分になったので、想いを馳せるのは取り止めた。
そんなことより、ちょうどコルクを抜いたタイミングで、ジャカルタ東部のバスターミナルで2回目の爆発が起こっていたのだ。
まるでコルクのポンっという開栓音が、爆発のスイッチだったかのように感じてしまったが、因果関係は全くなく、法的にも宗教的にもテロ的にも問題ないのだが、罰せられるんじゃないかと勘違いしそうになる。
まぁ、勘違いしそうになったのは後からで、飲んでる最中はそんなことは気付きもせずに、テキーラをせっせと流し込んでいた。
僕がまだ若い頃、何回かメキシコへ行く機会があった。その度にテキーラを口にしていたのだが、銘柄なんかは全く知らずに、ただただドギツイお酒を流し込んでいた。
だから、テキーラを飲むと自然とあの頃のことが思い出されるのである。まるで、昔の彼女が好んで付けていた香水の匂いをある時ふっと嗅いだときのような、そんな。
いやいや、こんな昔話をしたかったわけではなく、”テキーラのススメ” である。昔話的な背景を加えると、説得力が増すと言っていたのは、昨日の夢で出てきた酔っ払いのおっさんである。
リッポーチカランの日本食屋で飲んでいる日本人の様子をうかがうと、ビールからの焼酎のパターンが圧倒的に多いかと。焼酎は、何らかの形で日本から持ってきたものであろう。飲み方も、ロックか水かお湯で、梅干しなんかがあると良いのにね、みたいな。
まあ、美味しいので飽きるという感覚ではないとは思うのだが、気分を変えるという意味では、焼酎がテキーラに変わっても罰せられることはあるまい。同じ蒸留酒、芋や麦がサボテンに変わりアルコール度数が少々上がるだけである。
テキーラは、もちろんストレートでもいけるし、ロックだって美味しい。塩をグラスの口に塗っても良いし、ライムやレモンを口にしたって良い。コーラ割りにしたら、それはそれでシュパっといける。
少し趣向を変えて、たまにテキーラが飲みの席に登場すれば、色々と楽しめること間違いなし。
次回の帰国時はテキーラの持ち帰りを誓って、筆を置くことにする。